リアル
井上雄彦先生の描く漫画なわけですけど、うーん、なるほど、そうなんだよねと思わせるところが多々あります。
最近ふーむと思わされたくだりが、エゴの話。
戸川君という車椅子バスケの選手がおりまして、彼はかなり我の強いプレーをしていました。
実際実力もあってそのプレーがチームを勝利に導くことも多いけど、チーム内に不協和音をもたらすこともしばしばありました。
そんな戸川君ですが、次第に意識が変わっていって、チームの中心として働くようになってきました。不器用ながら。
具体的に言えば、みんなを盛り立てたり、1on1を仕掛けられるところでパスを出したりって感じでしょうか。
しかし、その様子を見た永野満という選手は「エゴを早くにたたんでしまった者に試合の勝敗を賭けたプレイは任せられない」と切り捨てました。
衝突を繰り返してエゴが磨耗してから初めて、チームの中心となればいいのであって、それまではエゴ丸出しでガツガツ行けばいいのだと。
日本は早くにエゴをたたんでしまう者ばっかりだと永野満は憂いました。
結局永野満は戸川君のチームに加入し、自らがチームの屋台骨となって支えることで、戸川君を自由に暴れさせました。
それでチームが良い方向に向かいだしました。
エゴについて。
なかなか考えさせられます。